沿岸漁業の安定生産に必要な漁場の造成・確保と環境保全沿岸漁場の造成・整備 21世紀に向けて、神奈川の漁業生産を維持していくには、漁場の造成・整備とその環境を良好に保っていくことがとても重要になります。 漁場の造成・整備としては、「魚のアパートづくり」が行われています。一つには、コンクリートなどでつくった大小の「魚礁」を海底に沈めています。ここに、海藻が着生して、小型の生物が集まり、さらに大きな魚が集まってくるというわけです。また、大型のブイのような「浮魚礁」を海面に設置したりしていますが、ここが物陰となって魚が集まってくるのです。 磯では「投石」といって、あわびやさざえなど磯に棲む生物の餌となる海藻がよく育ち、棲みやすい環境をつくる事業を引き続き行っていくことが大切です。 漁場環境の保全 海の環境を守るには、陸に住む私達が海に汚れを流さないように努力していくことが一番の解決策ですが、海では、海底を耕して、多種類の生物が生息する環境をつくることで、水質をきれいにする方法も行われています。 「海底耕うん」といつて、汚泥などが堆積して硬くなった海底を、畑を耕すように堀り起こし、軟らかくするとともに、散在しているゴミなども一緒に取り除く事業です。海底耕うんを行った後、少なくなって見つけにくかった巻き貝が大量に獲れたりして、漁場を活性化できると、期待されています。 |